第55回放送番組審議会 議事録(書面会議) | 番組審議会 | ミクスネットワーク

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第55回放送番組審議会 議事録(書面会議)

期間
令和3年8月20日(金)~9月20日(月)
審議委員
市橋章男・太田憲明・加納寛樹・長坂秀志・萩原幸二・原田真典・渡辺傳次郎・青山恵美子・今井幹子・関広子・山崎千鶴
(順不同/敬称略)
事務局
ミクスネットワーク編成部/森崎健吾・石川康雄・嶋崎早穂

進行

1.はじめに

 放送番組審議会は通常、委員の皆様にご参集いただき開催しているが、今回は新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、前回同様に郵送にて番組DVDを送付。番組また弊社事業内容に対して書面にてご意見をいただく形で開催した。

2.議  案

(1)特別番組「原田豆腐店の味をもう一度」に対する意見

 火災で廃業した岡崎の老舗豆腐店をクラウドファンディングなどで資金を集めながら再建し、長年引き継がれてきた豆腐の味を再現するために奮闘する人々の姿を追った番組「原田豆腐店の味をもう一度」をDVDにてご視聴いただき、委員の皆様からご意見をいただいた。

【意見1】

コロナ禍での火事で店主の失意は計り知れません。後継者という問題も遅かれ早かれ直面する状況で、まさかこのような形で「味を残す」「弟子をとる」という道を選択することになるとは思いもよらなかったのではないでしょうか?

原田さんが愚直に豆腐作りに取り組み続けていたことと、西田さんの味にこだわる想いが合わさり、たった半年で豆腐工房を再建させた奇跡の実話を多くの方に知って欲しいと願ってやみません。「ピンチはチャンス」といいますが、そんな言葉では言い表せないほど感動がありました。希望や光を見ました。

【意見2】

岡崎市内に豆腐店が原田豆腐店ともう1軒しかないことにびっくりしました。火災で店をなくされてしまった原田さんは再建を諦められていたそうです。

これから始めることは、とても大変なことだと思います。

スーパーなどではとても安い豆腐が販売されています。私も本物の豆腐の味を知らず、安い物ばかり食べてしまっています。原田豆腐店の味を絶やしたくない人や、美味しいものを求めている人もいます。もう一度あの味の豆腐が食べたいと思う人が再建に協力し豆腐作りが始まり、後継者問題もあり魚信の従業員に教えていたことにもびっくりしました。

原田豆腐店の寄せ豆腐を買いに行こうと思いました。美味しい豆腐の味を多くの人に食べてもらえることを願っています。

【意見3】

廃業を覚悟した豆腐店の再興をドキュメンタリータッチで捉えた点は好感が持てました。協力者の存在やクラウドファンディングを利用した試みにも時代の流れを感じさせられました。

地域内でも確かな技術や職人技を有しながら、後継者不足で先行きに希望が持てないという小規模事業者も存在します。視聴者に広告を意識させない構成と表現であり、良い作品と思います。

【意見4】

番組では火災で焼失した豆腐店の再建が、人と人が触れ合う中で楽しげに表現されていて、不思議にうきうきとした気分で視聴できました。

インタビューなどから、お互いを必要とする仲間の支援があり、工房としての再建だけでなく、弟子・後継者もでき、伝統や技術の継承も問題なし。店主や取り巻く人々のつながりや支援に応えようとする姿がとても嬉しく、岡崎市民として誇らしい気持ち、支援したくなる気持ちになりました。

さらに、番組は工房のオープンから1か月後の状況も取材されて、地域と一緒に歩んでいる様子に安心し、地域密着を活かししっかりと時間をかけて良い関係を築いて取材されたのだなととても好感が持てました。

ただひとつ、店主の紹介テロップが番組始めから最後まで「火災で豆腐店を廃業した」となっているのが気になりました。「復活した」「再建した」などとすれば、これからの発展を感じさせると思いました。

今後も地域に根ざした、何度も足を運び地域の声、人と人の結びつきを取材して欲しいと思います。

【意見5】

今回は人との繋がりの大切さと人情味が伝わってくる深い番組でした。歴史ある技術を継承して欲しい想いは、職人だけでなくそれに携わる人、そして消費者である私も強く共感しました。

また、再建に至るまでの経緯とそれぞれの立場の方の思いがひしひしと伝わり、番組に魅了されました。岡崎の伝統のひとつとして、応援させていただきたいと思います。取材意図が明確で、番組始まり方も良く、ストーリーがあり見入る番組でした。

【意見6】

大変丁寧な取材、テーマの迫る内容の組み立てなど、素晴らしい出来の作品だったと思います。

原田豆腐店の豆腐は、料理屋で扱っているところも多いと聞きました。火災の時は結構な衝撃があったと記憶しています。そんな中で、街の小さなお豆腐屋さんの再起に視点を当てた点、またその事業に関わる人々の思いを前面に打ち出した点など、ドキュメンタリーとしての重点をしっかり押さえた、骨の太い番組に仕上がっていたと思います。尺が足りないとは思いますが、2人の弟子の修行の部分をもう少し見たかったかなと感じています。

ナレーションについては、自然な抑揚が付いていて聞きやすく好感が持てました。今後もぜひ頑張っていただきと思います。

【意見7】

「原田さんが助けることが魚信を助けた」このことがとても印象に残る番組でした。長期に渡る取材と撮影で原田さん、西田社長、弟子の2人などとても人柄が良く出されており、大変良い番組だと感じました。

また画面も綺麗で音声も良いと思いました。ただテロップの字体が明朝体よりゴシック体の方が見やすいのではないかと感じました。

あってはならない火事をきっかけに多くの人の想いが結集して伝統の味が継承されるという好結果を得ることが出来ましたが、市内には消えかかっている伝統の技や芸、味など多々あると思います。今後もミクスネットワークの番組を通じて多くの伝統が継承される良い結果に繋がることを願います。

【意見8】

絵に描いたような美談で視聴していてほっこりとした気分になりました。番組の締めとして、魚信さん、原田さんがWinWinであったような魚信さんのインタビューで終わりましたが、今後の継続性、弟子の2人の給与はどこから出るのかなど気になる点もありました。

【意見9】

身近な食材である豆腐を取り上げ、物づくりの工程を知る楽しみや職人のこだわり、人柄がインタビューを多用して上手に描けていました。

火災という暗い部分は少しにして、魅力的な人物、人間関係が、観る人に爽やかに伝わったと感じ、よく似た物づくりの番組の中でも今回は秀逸と言えると思います。

【その他のご意見・要望】

・番組審議委員会に参加させていただくようになり、改めてFMEGAOさんの番組を耳にすることが多くなりました。そして、制作側の皆様の人となりに触れ、身近に感じるようになりました。市民や地域の皆様のために作っている良い番組もっともっと周知されますようにお役に立てることがあればと思います

・番組審議会の案内や意見・感想の提出について、電子メール・電子データでのやり取りができると効率よくありがたいと思います。

・新型コロナの感染拡大に伴い、人々の生活不安が様々な場で常態化してきました。特に岡崎市やその周辺地域の影響や実態はどのようなものなのでしょうか。地域のケーブテレビや有線放送などの情報発信力が問われているとも考えられます。

 政治的な色合いの強い民放の番組とは異なる、地域性を基本にした日常的な報道番組(現在の「街の話題」とも異なる)の制作について考えなければならない時代に差し掛かっているのではと思います。ご一考ください。

・数ある番組の中から、今回の審議対象番組が選ばれた理由はどこにあったかはよく分かりません。おそらく出来の良かった番組かと思いますが、経営陣から判断して出来の悪い番組を審議しても良いのかと思います。

・コロナ禍でイベントも減り、番組制作に苦労も多いかと思います。市民の新しい暮らし方、前向きに明るく活動している人々を紹介する番組があると良いと思います。

・この地域には伝統的な技術や行事があり、民俗学的、社会学的な視点で捉え、伝承の記録や教育教材として利用価値の高い作品を今後も創造してくれることを望みます。

以上、各委員の皆様から番組対する感想や貴重なご意見などをいただきました。本議事録をもってご報告させていただきます。


令和3年10月17日
ミクスネットワーク株式会社 放送番組審議会
会     長    市 橋 章 男
ミクスネットワーク株式会社 会社代表
代表取締役社長    大 川 和 昌